2006.9. 21.夕刊フジ 掲載記事

"お笑いですよ!!"

17日、新宿末廣亭「中席」(落語協会)昼の部を見る。3連休の中日は、立ち見まで出る超満員。林家鉄平、古今亭志ん輔、林家いっ平と明るい芸風が続き、客席全体が盛り上がってきたところで、春風亭正朝=写真=と柳家権太楼が相次いで登場。
今の落語協会で正朝、権太楼という流れは寄席好きにとってよだれが出そうな豪華リレー。特にこの日は正朝がよかった。
寄席で季節の訪れを感じることはよくある。つい2週間前までは「船徳」「青菜」「たがや」といった夏モノの噺がかかっていたが、この日の正朝は今年初めて聴く「目黒のさんま」で秋の到来を告げてくれた。
正朝独特のよく伸びる高音が、間の抜けた殿様にピタリとはまる。意地悪な殿様とその対応に窮する家来のやり取りも、この人が演じるとどこかのどかな趣に満ちてくる。
殿様が食べたさんまがいかにうまそうなものであったか。その描写を3回も繰り返して笑いを取っていたが、あれを聴いてさんまを食べたくならない人はいないだろう。
この日末広亭から帰った多くの人が夕飯にさんまを焼いたはずだ。もちろん筆者もその一人。
(竹中秀二)

東京人

 

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