「東京人」no.172 都市出版 2001年11月号 掲載記事

「今が聞き時、旬の噺家30人」 

東京人

正朝の高座を見ていていつも驚くのは、観客の心を惹きつけるのが実に巧みである、ということだ。いかにも落語家然とした口調ではなく、一見何気なくおしゃべりをしているように見える。けれども観客は、知らず知らずのうちに正朝の言葉に夢中になってしまうのだ。いつか聞いた「死神」では、演者と観客が完全に一体になり、寄席全体が一種のトリップ状態になってしまい、感動して鳥肌が立った。もちろん噺自体には、締めるところは締め、引くところは引くという具合に、綿密な計算が成り立っている。けれども、それだけではない。正朝落語における本当の「芸」は、見えないところに隠されているのだ。その本体を言い当てることはぼくにはまだできないが、おそらく正朝が現代人としての自身の「実感」から噺を組み立て直していることと関係があるのではないだろうか。なお、サッカーマニアとしても有名で、ときにマクラで話すサッカー談義は、サッカーファンにはたまらない魅力である。(大友)

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