2008年11月27日(木) 

サッカーマガジン11月25日号に掲載している西部謙司氏のコラム「ゴールのあとの祭り」に全面的に賛同する。 

以下に、私の言葉を補足しつつ、転載する。

昨年の川崎フロンターレである。
日本の代表としてAFCチャンピオンズリーグを戦っていたフロンターレは、Jリーグで主力温存(二軍主体と言い換えてもいい)のメンバー編成をし、当時の犬飼基昭専務理事がそれを怒った。
Jリーグには「ベストメンバーで臨まなければならない」という規定がある。それに違反すると、罰則もあるのだ。
犬飼氏曰く「サポーターに失礼ではないか」と。
ところがサポーターは事情が分かっているから、別に怒ってはいなかった。逆に犬飼氏に抗議する横断幕さえ出た。

そして今年の天皇杯である。
ジェフ千葉(対清水エスパルス)と大分トリニータ(対サガン鳥栖)が、それぞれ主力を欠いたメンバーで臨み、どちらも敗退した。
天皇杯は日本協会の大会なので、今回は協会会長が怒った。協会会長とは今年就任した犬飼基昭氏である。同一人物だ。
「日本で一番権威のある大会に、そのような態度で臨むなら、来年から出場しなくてもいいということでしょう」と言ったという。
ちなみに天皇杯には、Jリーグと違って「ベストメンバー規定」というものは、無い。
だが、ちょっと待ってもらいたい。以下、西部氏の文章をそのまま引用する。

★ボクはいわゆるベストメンバー規定そのものをナンセンスだと思っている。どのメンバーがベストかを決められるのは監督だけで、それをリーグや協会やファンやメディアやスポンサーが、「それはベストではない」と決め付けることはできない(中略)
監督にはメンバーを決める権利と責任がある。それで負けたら、責任は確実に降りかかってくるのだ。覚悟の『選択』である。第三者がそれに影響を及ぼすつもりなら、責任も分担しなければおかしい。しかし、(中略)優勝を逃しても、クビになるのは監督である★

さらに西部氏は、犬飼氏が立場上クレームをつけるのは分かるが、その言い方がファンの気持ちを逆撫でしている、と指摘する。
「日本で一番権威のある大会」だと!
権威は振りかざすものではない。当事者が「権威」を言い出したらまずい。威張っているのと同じだ。ルールにもないことに関して処罰云々まで言及するなら、恫喝と思われても仕方がない、
と、氏の指摘は続く。全く同感である。私個人的には「おぞましい」とさえ思う。

今、世界のサッカーでは、ターンオーバーは常識だ。
つまり、国内リーグ戦とカップ戦(チャンピオンズリーグなど)を毎週2試合こなさなければならないような強豪クラブは、二つのチームを持つぐらいの選手を保有するのだ。
そしてリーグ戦はAチーム、カップ戦はBチームといった戦い方をする。それを「ターンオーバー」と呼ぶ。そうでもしないと「ベストメンバー11人」だけで長いシーズンを乗り切ることなど不可能だからだ。突き詰めれば、日程が過密なのだ。
国内リーグも、カップ戦も、いずれかをないがしろにしているわけではない。どちらも全力で取りに行く。そのためには22人が必要というわけだ。

残念ながら、我がJリーグにはそれほど潤沢な選手を保有するクラブはない。
要はプライオリティーをどうつけるか、という問題になるのではないか。
Jリーグ、ナビスコカップ、AFCチャンピオンズリーグ、天皇杯・・・、自分達のクラブにとって、今、どの試合を優先させるのか?ということになるのだと考える。

犬飼氏には「すべての試合にベストメンバーで臨め」などと、ナンセンスなことは言わないで欲しい。
繰り返しになるが、そもそも「ベストメンバー」などという概念は存在しないのだから。

それよりもJリーグと天皇杯の日程の見直しを、今すぐ進めて欲しいと思う。

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